僕がアメリカに留学して、丁度3ヶ月が経とうとしていた。

全く分からなかった英語にも、少しは慣れはじめ、

大学の授業もなんとかこなしていた時だった。

橋本岳という岐阜人と一緒に住むことになった。

岳は僕のホームステイしている家から、100M先に

ホームステイしていたせいか、

大学が始まってからほとんど一緒に過ごしていた。

自然、気も合ったし、なにしろ彼の持つ

のほほんとした雰囲気は、今で言う癒し系であろう。

まぁ、とにかく適当にアパートを探し住むことになった。

アパートは悩んだ挙句、一番きれいな「ARROW VILLEDGE」に決まった。

ゼロからのアパート生活だったので、家具を買うことから始まった。

その頃、僕らの住むロサンゼルスはとにかく暑い時期だったので、

飲み物をキンキンに冷やすため、冷蔵庫から買うことにした。

僕と岳はBest BuyやCircuit City という電気店を回り、

Dandyという見たこともないメーカーが出している、

冷蔵庫に一目惚れした。

理由は名前がDandyだったからというシンプルなものだ。

特徴としては、開けると缶ジュースホルダーが付いているという

とてもシステマチックなものだ。

男らしく現金一括で・・・とはいかなかったが、

それを買うことにして宅配を頼み、店を後にした。

冷蔵庫が届いてからというもの、何かある度に

「男らしいからね」なんて言い合いながら、

冷えたビールを飲むという、まさにDandyな生活をしていた。

3週間が経ったとある夕食時。

僕はキッチンに経ち、パスタを茹でていた。

岳が僕の後ろを抜け、冷蔵庫からビールを出そうとしたとき、

「あぁぁぁぁぁぁぁぁーーーっっ」

絶叫した。

「何?」と冷静を装って聞いてみると、

岳は「ここ見て」と冷蔵庫のタグを指さした。

僕はパスタを気にしながら、覗いて見ると、

そこには大きく、男らしく、

Danbyと書いてあった。

英語を学びにアメリカにやってきて、4ヶ月が経とうとしている。

これまで数多くの失敗はしてきたが、まさか

bとdを間違えるとは思わなかった。

しかも、かなり豪快に間違えていたらしい。

それからというもの、僕らが二度と

「男らしい」という言葉を使わなかったことは、

言うまでもない。

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